
「神は細部に宿る」と言われるが、このモデルの細部の美しさを見れば、全くその通りだと同感せざるを得ない。1950~1960年代に造られたバスの美しい曲線こそ、三菱ふそうの代名詞とも言える細部まで手を抜かない技術とデザインを体現しており、そのデザインの美しさは見る者を魅了する。
川崎にある三菱ふそう内、ニュープロダクトセンターのロビーで人目を集めるのは、3プリンターのテクノロジーが生まれるよりずっと以前、手作業で作られたこの3台のモデルカー(金属模型)だ。
全長約90㎝にもなるこの大型の模型は、手書きのスケッチをもとに作成されたが、そのデザインプロセスや作業方法は現在でも基本的に変わらない。大きく変わったのは、スケッチを3Dに落とし込む作業や実際の模型製作の大半がコンピュータを使用して機械化された点であり、そのデザインの精密さを効率よく再現する手段が進化したことた。